絶体絶命の娘を救った意外なもの

夜中の1時半、娘から電話がありました。

「パパ、インキーしちゃったの…」

血の気が引く、絶句、とはまさにこのような瞬間を言うのでしょう。

我が家の玄関は、イタリアではお馴染みの「Porta blindata」(ポルタ・ブリンダータ)。 見た目は優雅な木の扉ですが、中には鋼鉄の板が仕込まれた、文字通りの「装甲ドア」です。

頑丈なのは良いけれど、厄介なのがオートロック仕様であること。
鍵をぐるぐる回し、ドア内部の鋼鉄シリンダーを出し切らなければ完全には施錠されませんが、ひとたび閉まってしまえば、外からはびくともしません。

だから外出する際は、鍵を持っているか、扉を閉める前に何度も何度も確認する。イタリア生活は、常にこの緊張感でいっぱいなのであります。

「どうしよう…」

どうしようって言われたって…

僕は鍵を持っているけれど、ここは10,000キロ離れた日本。
合鍵を持っているはずの弟に連絡するも、「外出中だし、どこにあるか思い出せない」という絶望的な返事。

これはもう消防署に電話するしかないよ!

そう思ったものの、あいにくその日は祝日のイタリア。
しかも朝から初雪が、それも本格的な雪が降り続いていました。きっと街中は混乱して、消防士もあちこちに出払っているに違いない…電話したってすぐに来てくれないだろう…

防犯カメラを見ると、雪が降りしきる夕闇の中、着の身着のまま家の前でうずくまる娘の姿が…

「パパ、昔インキーした時、レントゲン写真で開けたよね?」

そう、それはイタリアでは知る人ぞ知る裏技。
こんな時に役に立つのが「レントゲン写真」なんです。

あれを扉の隙間に差し込み、上下にうまくスライドさせると、鍵のラッチが押し込まれて… ガチャ! 開くんですよ。
レントゲン写真の、あの薄さと硬さが絶妙にちょうど良いのです。

で、

結局、娘は友人にSOSを送り、

たまたま自分のレントゲン写真を持っていたという男の子が、雪の中を駆けつけてくれて…

ガチャリ!

「持つべきものは友」

それも「レントゲン写真を持つ友」だねえ、Keiちゃん!

… あ、まず大事なのはケータイか!!

絶体絶命の娘を救った意外なもの_d0036978_06360841.jpeg

ご覧のとおり、

こうして無事に解決したのは、日本時間朝の3時半。

治りかけていたお父さんの時差ぼけは、すっかりリセットされてしまいました。


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Commented by Toruberlin at 2026-01-09 17:31
あらあらKEIちゃん、良かった。
たしかに何も出来ない、日本からでは。
いわゆる空巣テクニックですね、だから外出時にはシリンダーを回さないと❌。
弟、ツカマラナイとは😅
鍵、上手い隠し場所、あると良いですねー
もし施錠して無くしたって時の為に。
Commented by kotaro_koyama at 2026-01-11 14:36
> Toruberlinさん
鍵を隠しておくことも考えたんですけどねえ、Rikiをすっかり信用してたから… !
Commented by Solar18 at 2026-01-15 06:28
良かったですね。でも、レントゲン写真で開いてしまうというのも心配ですが。こちらでは鍵の店に緊急電話をかけて、開けてもらうのが普通、高いですが。
Commented by kotaro_koyama at 2026-01-15 18:05
> Solar18さん
本当に外出する際は、ちゃんと鍵をぐるぐる回すからこの方法で開けられてしまうことはないですが… ドアを半開きにしてちょっと外へ、なんていうのが超危険。風の勢いなどで、ガチャン!!!
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by kotaro_koyama | 2026-01-09 09:10 | イタリア暮らし | Comments(4)

主夫と生活、ゴルフのこと。


by kotaro
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