言葉の壁を超えて、親として
2024年 10月 26日
Keiが、教育実習の最終レポートをまとめた。
1年の休学を挟んで6年に渡った大学での勉強が、もうすぐ終わる。



イタリア(海外生活・情報)ランキング
提出期限ギリギリに仕上げたのはご愛嬌、
31ページに渡る力作を見せてもらった。当たり前だけれど、そこに書かれているイタリア語は、アカデミックな文体だった。
んん、ちょっと難しいな…
こんなに「ちゃんとした」イタリア語を、この子が本当に書いたのか?
その文章と、隣でニコニコ笑っている娘の横顔とを、思わず見比べてしまった。
彼女が執筆をしている頃から思っていたのだ。(あぁ、日本語だったら、ちょっとしたアドバイスとかできるのにな)って。
完成したこの作品を目の前にした今も、やっぱり、(あぁ、日本語だったら、さっと読めるのに。そして、より厳しい目で批評できるのに)って思い、悲しくなる。
ちょっとハードル高いけれど、でも、頑張って読まなきゃ。だって娘の努力をちゃんと見てあげるのは、親の務めでしょう?
それは、こんな出だしで始まる。なるべく原文を壊さないよう訳してみる…
教育実習の過程全体を振り返ると、私が取り上げてきた問題が、どれほど自分自身の個人的な経験に影響を受けていたかに気づかされる。ペルージャで日本人の両親の元に生まれ育った私。その観察の対象が、マイノリティと差別の問題に向けらることになったのは必然のことだったのだろう。教育実習一年目の時点で既に、次のように日誌に記している。
… 私が初等教育科学学科を選んだのは、決して偶然ではない。それは、私が生まれ育つ中で経験したことや、自分が置かれた状況を踏まえてのことだった。私の家族はイタリアに住んで24年が経ち、この国の社会に完全に同化している。ペルージャで生まれた私と弟も、両親から日本的な教育や文化の影響を受けながらも、自分たちはイタリア人だと言い切れるだろう。それでも、私たち姉弟が、他のイタリア人の子供たちと「同じ」ではないと感じさせられることには、少なからず複雑な思いがある。しかも、その私たちの違いが、日本的な教育や文化によるものではなく、見た目に由来しているのであれば尚更だ…。そう、私たちの外見、顔立ちは、少なくとも一部の人たちの目には、いつも「異質に」映っているのだ。私はいつも、差別について考えてきた。もちろんそれは、誰もが関心を持つテーマかもしれない。しかし、差別を、ただ話として聞くのではなく、私のように時に肌で感じる人間にとっては、より切実で深刻な問題なのだ。… (2019/20年度 日誌より)
こうして、このレポートの根底には一貫したテーマが流れる。
「差別」
それは、人種的なものにとどまらない。実際の教育現場で出会った、様々な「障がい」を持つ子供たちへも目が向けられることになる。
「障がい」
僕たちの世界には、身体的なものに限らず、様々な障がい、いや、「違い」がある。摂食障害、識字障害、更にはジェンダー意識…
そんな問題を抱える子供たちに接する教師の態度が、Keiの目にはどのように映ったのか。それが綴られていた。多くの場合、それは落胆へとつながるのだが…
5年に渡る教育実習は、幼稚園、そして小学校高学年のクラスにおいて行われた。
「普通」とは「違う」子供たちを観察しながら、レポートは、グループワークの重要性、採点の意義、等について言及していく。
それから、Kei自身の欠点、改善点も、もちろん。
ちゃんと読むのは結構大変だったけれど、
娘の内面の成長を垣間見ることができる文章として、非常に興味深く読ませてもらった。
彼女自身の人生、葛藤、を投影しながらのレポートは、かなりユニークな構成だと思う。普通の学生は、ここまで自分を前面に出すことはしないだろう。
でもそれが、その独特さが、読む者の心に響いて良いと思った。
教授たちの採点は二の次
親である僕にとっては、満点の出来だった。

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> 鍵コメさま
嬉しいお言葉ありがとうございます。僕は、世間一般の父親に比べれば、子供達と長くいつも一緒に過ごして来たと思います。それでも、彼女たちの心のうちには、僕が気がつけなかった色々な葛藤があったのでしょう。お孫さん、拝見してみたいです!
嬉しいお言葉ありがとうございます。僕は、世間一般の父親に比べれば、子供達と長くいつも一緒に過ごして来たと思います。それでも、彼女たちの心のうちには、僕が気がつけなかった色々な葛藤があったのでしょう。お孫さん、拝見してみたいです!
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はじめまして。
海外での子育てお疲れ様です。イタリア育ちの日本人だからこそのユニークな視点を持てるというのは、今後どんな仕事をするにも強みになると思います。頑張ってください。
海外での子育てお疲れ様です。イタリア育ちの日本人だからこそのユニークな視点を持てるというのは、今後どんな仕事をするにも強みになると思います。頑張ってください。
> SHINJIさん
嬉しく心強いお言葉、どうもありがとうございます。
嬉しく心強いお言葉、どうもありがとうございます。
by kotaro_koyama
| 2024-10-26 02:01
| イタリア暮らし
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Comments(4)

