一枚上手

昨日の差別話のつづき。

だから、ガイジンな外見をした娘たちが受けてきた嫌な思い、今までに色々あって、

それに対しては、うちの子供たち、沢山の怒りを返したり、沢山の涙を溜めたりしてきた訳です。

Keiは、でも、こんな話をしてくれました。

「湖近く、小さな町のバールなんかに行くとね、必ず、もう必ずと言って良いくらいヘンな声を掛けられるだけどさ」

片田舎のバール… そう、年寄りのオトコどもが、店先でいつまでも時間を潰しているような店です。

店へ入ろうとすると、「お姉ちゃん可愛いじゃん」的ないやらしい言葉だったり、「おーい中国人」みたいな声を掛けられる。無視をしても、しつこい時もある…

「この前もさ、『何処から来たんだ中国人』って言われてさ」

Keiが流暢なイタリア語で言葉を返すと、

「お、おまえさん、イタリア語うまいじゃん!」

(おい、おっさん。わたしはお前よりよっぽど学があるんだよ!)

そう思いながら、目も合わせず店へ入ろうとする。でもおっさんは、しつこい。

「どこで生まれたんだい?」

「ペルージャよ」

「ふぅん… でも、元々の、オリジナルはどこなんだよ?」

普通だったら、今までだったら、「両親は日本人で…」と答えるところ。

でも、Keiは言ったのです。

「さあ… わたし、物心つかない頃、養女に取られたの。だから分からないの。本当のこと、知らないの…」

ちょっと悲しそうな顔をしながら…

(聞いてはいけないことを聞いてしまった)

おっさんは、なんともバツの悪そうな顔をして黙り込んでしまった…

あぁ、なんと頭の良い切り返し方!

一枚上手_d0036978_04491510.jpeg

昨日、Keiがバイトをする店に遊びに行きました。

この日は、メインのバールマンがお休み。独りで、沢山のカクテル注文を捌いていました。

ウエイトレスをするよりは、カウンター向こうで黙々と働く方が好きみたいです。

それは、もしかしたら、馬鹿な客に出くわすこともないからかもしれません。

僕が頼んだモヒートは、もちろん特別に、ラム酒が大盛りでした。


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Commented at 2024-07-30 20:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Keiko at 2024-07-30 22:19
Keiさん、賢女!
Commented by kotaro_koyama at 2024-07-31 04:53
> 鍵コメさま
あぁ、「旅人」も良いですね。洒落てる!
Commented by kotaro_koyama at 2024-07-31 04:53
> Keikoさん
賢女、は素敵な褒め言葉、どうもありがとうございます!
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by kotaro_koyama | 2024-07-30 17:02 | イタリア暮らし | Comments(4)

主夫と生活、ゴルフのこと。


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