愛情表現

連休をボローニャで過ごした息子、Riki。

帰る前日、突然電話をしてきた。

「なに?」

「いや、別に… ただ、友達が皆、親と電話しててさ。『何してるの?』とか『何食べたの?』とか… Keiじゃないけど、なんだか僕も寂しくなっちゃって」

なんだ。たった2日会ってないだけなのに、可愛いこと言うじゃないか…

そう、そうなのだ。Keiに、何度も責められたことがある。「パパが私のことを愛してくれているのはよく分かっているけれど、なんで全然連絡くれないの?!」

バカンスの間、たとえそれが二、三日の休暇であっても、他のイタリア人の親は皆、毎日毎日、それこそしつこいくらい子供たちに電話を掛けてくるのだと言う。

それに比べて、どうして私のパパは音信不通なの? なんて冷たいの!

僕は、自分の気持ちを説明する。僕がお前らの立場だったら、親の電話、干渉なんて受けたくないんだよ。僕は、たぶん、他のイタリア人家族の誰よりもお前らのことを気に掛け、心配し、「ああ、今頃何しているんだろう、何を食べているんだろうか、楽しんでいるかな」って、常に考えていると思うよ。でも、敢えて、我慢して、電話なんかしないんだ。だって親のことなんて忘れて楽しんで欲しいから… 旅の思い出は、土産話として、ゆっくりじっくりお家で聞かせてくれればいいんだから…

「でも…」

そのニッポン的な親心は、未だ理解してもらっていない。

… … …

祭日で休みだと思っていたスーパーで、意外にも新鮮なマグロを見つけた。

漬け丼にして、Rikiを迎えてあげた。

「最高!やっぱり家で食べる食事はいいねえ!でも、どうして… Keiがいないのに、マグロ?」

「日本と違ってさ、思った日に新鮮な魚が手に入るわけじゃないんだよ。たまたま見つけたからさ。本当はトマトパスタにするつもりだったんだけど」

弟は、マグロが大好きなお姉ちゃんのことを気遣いながらも、その言葉に頷き、お代わりをした。

愛情表現_d0036978_04593647.jpeg


マグロを捌きながら想ったのは、もちろんKeiのことである。



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Commented by kobacken at 2022-04-26 12:40
最後の一文にグッときました!!
Commented by kotaro_koyama at 2022-04-26 14:03
> kobackenさん
口には出さないんですが、文にして書くことはできます…
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by kotaro_koyama | 2022-04-26 06:18 | イタリア暮らし | Comments(2)

主夫と生活、ゴルフのこと。


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