いつものメンバーでのゴルフ。この日は僕がビスコッティの盛り合わせを持って行った。
8番は、誰もが嫌がる名物ホールである。イタリアにあるゴルフコースの中で、平均スコアが1番悪いとも言われる。このホールがあるから、このコースには来ないという人もいるくらいだ。
その8番ホール、今日はみんな無難にこなした。ホッと笑顔で、ピクニックとする。ジョルジョがやっぱりコーヒーを持って来てくれて、チョコレートと一緒にグリーンの上に並べた。
「いやあ、こりゃ贅沢だ!」
「こんなことができるのはロシアのオリガルヒだけだぜ!」
ロシアの金持ちは冗談としても、グリーン上に寝っ転がってコーヒータイムなんて、少なくとも日本じゃあり得ない。なんとも贅沢な一時。
甘いおやつから、お菓子屋さんの話が始まり、「どこのマリトッツォが美味しいか」という議論が勃発した。「ペルージャのAntica Latteriaは美味いぜ。あそこの生クリームはイタリアで1番じゃないか!?」とジョルジョが言えば、「何を言ってるんだ、お前らテルニのModernissimaを知らんだろう!」とファブリツィオ。「いやいや、フォリーニョのバールが…」
生クリームの質、ホイップの仕方、パンの出来具合、干し葡萄が入った、入ってない… 延々と続くイタリア男たちの議論。男同士、ドルチェ一つでよくもまあそれだけ話が続くもんだ。
甘いもの、特に生クリームなんかにはまったく興味のない僕は、コーヒーをおかわり。黙ってお城を眺めていた。

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