海老が好きな君は

ゴルフの帰りに寄ったスーパー。見るからに新鮮な車海老が売られていた。尻尾がコバルトブルーに光っている。だいぶ値が張ったが、三つバーディーを取ってご機嫌だったからか、それとも海老好きな息子への愛なのか、財布の紐が緩んだ。

魚コーナーのお姉ちゃんは、「すぐに使わないなら、氷水に浸しておくと良いわ。明日まで新鮮よ」って親切に助言してくれたけれど、「いやいやこんないい海老、今夜すぐに使いますから!」って答えた。

帰宅して、「さて、どんな料理にしようか… パスタもつまんないよねえ。あれこれ手を加えず、ただの塩焼きとかの方がいいかな。でもそうしたら何と一緒に食べるわけ?ご飯と?付け合わせがないじゃん。シンプルな方がアイツは喜ぶけどさ…やっぱりパスタ…?」なんて考えているところへ、Rikiがやって来た。

「パパ、もう夕食準備しちゃった?彼女に晩御飯へ来てってお願いされちゃって…」

準備…

まだ何も手をつけてはいなかったけれど、その時、もちろん僕のアタマは完全に調理を始めていた。できればその夜のうちに使って、味わせてあげたかった食材で。

「好きにしろ。海老、だけどね」

見る見る不機嫌になるお父さんを前に、でも、彼女からの誘いを断ることもできない息子は、板挟みになって、縮こまっていた。

そして、活きのいい車海老たちは、あのお姉ちゃんの言葉通り、氷水送りになった…


翌日、今日の昼。

一晩寝て機嫌を直したお父さんが選んだ調理は、中華風。しつこくならない程度に、ニンニク、生姜、紹興酒、甜麺醤、コチュジャン、醤油、オイスターソースで味をつけた。合わせるのはネギだけでも良かったのだけれど、栄養を考えて、インゲンも加えた。

一口、二口、食べて、Rikiは、

「美味しい」

と呟いた。そして白いご飯を頬張り、バタバタと出掛けて行った。ローマへ。

なんでもこの週末は、高校生組合の全国的な集会があるのだとか。一泊13ユーロの安宿に2泊すると言っていた。食事は、きっと、ピザばかりになるのだろう…

今夜から日曜まで、料理を考えなくてよい。もしKeiが帰ってきたらトマトパスタにすればいい。

車海老の、頭、殻、尻尾は、いずれ出汁を取る為に、冷凍庫へ放り込んでおいた。


海老が好きな君は_d0036978_23021925.jpeg
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Commented by t_hcmoto at 2022-02-19 21:50
こんなに美味しそうなのに・・・(T_T)
Commented by kotaro_koyama at 2022-02-20 02:33
> t_hcmotoさん
でしょう!?(笑
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by kotaro_koyama | 2022-02-18 23:15 | イタリア暮らし | Comments(2)

主夫と生活、ゴルフのこと。


by kotaro
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