プチ家出

Rikiが家を出て行った。しばらくの間、親友サーラの家に身を寄せるそうである。

「毎朝ボクのことを叩き起こしてくれるって。学校まで歩いて行けるしさ、楽しいかなって思って…」

パパに起こしてもらっても良いんだけど… と、言い訳をするように呟いてはいた。でも18歳にもなって父親に起こされなきゃ学校へ行けないなんて、自分がダメな人間に思えてしまうのかもしれない。

サーラの家は、6人兄弟姉妹の大家族。1人くらい子供が増えても何も変わりないのだろうから、親としてあまり心苦しい思いをしなくて済むのはありがたい。ご両親は敬虔なクリスチャンである。ミサはもちろん、金曜日は必ず魚料理。食事前のお祈りは欠かさない。Rikiの居心地悪そうな顔が目に浮かぶ。

それにしても、親友とは言え、サーラは女の子だ。しかも美人である。Rikiの彼女は嫉妬とかしないのかしら? Keiは言う「わたし絶対Rikiみたいな男の彼女にはなりたくないね!」

学校へ持っていくおやつに、Rikiが好きなモルタデッラ(ハム)のサンドイッチを作ってあげようと買ってあった。日曜日なのに、その為だけにわざわざスーパーへ行ったのだった。でもそれも無駄になった。いや、モルタデッラは僕が食べればいいから無駄にはならない。僕の気持ちが無駄になったのである。そんなこと、息子は知る由もない。

どんよりとした曇りの月曜日、太陽が家を暖めてくれない。暖炉に火を入れた。たった独りだけのために、贅沢で、寂しい炎。

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Commented by aki at 2022-02-08 16:35
こんにちは。うちにも高校3年の息子がいるので、イタリアの高校生の育児について共感する所が多くあります。
早く大人になって欲しいと願いながらも、親元から離れて行くとなったら寂しいし、複雑な心境になりますよね。
うちの夫は、娘に甘くな可哀想だからギリギリまで寝かしてあげてと言います。私は、5分、10分なんて変わらないと言って起こしてしまいます(笑)
お父さんの優しさから、息子さんが多くを学んでくれて成長していかれると良いですね。
他の家族と一緒に過ごす事で、自分の家の良さを再確認して帰って来てくれると思います!
Commented by makikoai2005 at 2022-02-08 21:14
拝読していて、なんだか切なくて、切なくて。なんだか泣けてしまいます。
週末、たまたま美容室に置いてあったファッション誌に(雑誌の名前は忘れれしまいましたが)松田美由紀さんのインタビューがあって、子離れが辛かった、子供に捨てられたような気がしたり、すっかり「重い女」になっていた、とか書かれていました。彼女のファンとかではなかったし、良く知っている方でもありませんが、なんだかこういう華やかな世界に生きている人でもこんな風に感じることがあるんだなと妙に響きました。
Commented by kotaro_koyama at 2022-02-09 04:09
> akiさん
親子の関係って、父/息子、母/娘、でかなり違うでしょうね。そこに子供の数が増えれば、気持ちは更に複雑に…。どの組み合わせ、パターンにしても、親にとっては常に初体験なのかなって思います。いつの日か、彼らが、親の苦悩や心配を理解してくれれば…
Commented by kotaro_koyama at 2022-02-09 06:01
> makikoai2005さん
有名人でも無名人でも、親の気持ちは同じでしょう。僕は、「重いオトコ」にならないように努力しているのですが…
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by kotaro_koyama | 2022-02-08 02:22 | イタリア暮らし | Comments(4)

主夫と生活、ゴルフのこと。


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