おバカさん
2019年 07月 02日
夕食を終えた後、Rikiが涙ながらに語った。自分がどれほどスマホ依存になっていて、特にインスタグラムとYouTubeにどれだけの時間を費やし、1日を無駄にしているかを。そしてそんな自分の生活を変えるため、いっそのことアプリを消去しようと思っているのだが、最後の勇気が出ない。更に時間を費やすWhatsAppも消したいところだけれど、それだけは友達との連絡の為にできない…
今の時代、老若男女問わずほとんどの人がスマホ依存、ネット依存になっているんだ、僕だってそうだよ、Rikiだけが弱いわけじゃない、そんなに悩まなくてもいいよ、そこまで考えたことを評価する、嬉しいよ、って慰めたけれど、彼はぽろぽろと涙を流し続けていた。
特にやることもない時、誰からも何も押し付けられていない時、ついなんとなくスマホを触って、1時間2時間が過ぎていく… ほら、だからさ、パパはRikiに、ゴルフとかヨットとかを押し付けてみるわけなんだよ!そういうアクティビティをしている時、スマホには触らないじゃない?そして、長い時間ネットを遮断した後、なんか気持ちいいよね?
しばらくの間、最善の解決法を探って話をした。仲良しの友達には自分の決断を伝えておいて、そしてインスタグラムなんかを消してみたらどう? ... なかなかベストな答えは見つからなかったけれど、最後には少し笑顔が戻って、そして「おやすみなさい」を言ってベッドへ行った。
翌朝、Rikiのスマホからインスタグラムが消去されていた。YouTubeは基本アプリになっていて消去できないらしい。仕方がないのですぐに触れないように、ファイルの奥底へ隠したらしい。
埃を被った角川文庫、遠藤周作の「おバカさん」。どこからか引っ張り出してきて、ソファに寝っ転がって読み始めている。漢字にかなり苦労しているようだ。いや、漢字と言うよりも日本語に。目で追って日本語を読めてもなかなか頭にスッと入ってこないらしい。僕がイタリア語を読むのと同じなのだろうか。楽じゃないけれど、この夏休みの、自分への課題にするのだそうだ。随分と殊勝な心がけ、偉いじゃない!って思ったら、今朝は二度寝したらしく、お昼まで起きてこなかった。
庭へ水をやりに行く。可愛がっているアボガドが元気に葉をつけ始めていた。

Kotaroさんの慰めの言葉も流石です。
アボカドの成長にRikiの内面の成長を重ねてみてさぞかし気持ちの良い水やりをなさったことでしょう。
便利に慣れきったこの身体が「どこかおかしいよなぁ」なんて思いながら生活しているけど、便利の渦中にいる40代の私ですらそこから抜け出せませんし、抜け出そうとしない。若くして「不便じゃない」ことが普通なのでは?と『自覚』したご長男は偉いですね。そういうご長男の多感な世界に触れた後にみるお庭の景色は今までとは格別違ったのではないでしょうか?
自宅のリビングでは、今日も9歳のハナタレ小僧が、深くソファに沈みながらテレビです。うらやましい・・・。
ありがとうございます。アボガドを始め、様々な植物同様、素直に成長してくれることを願います。植物によって、水を与え過ぎてもいけない、肥料を適量与えないといけない、と多種多様なわけで、それは人間でも同じなのかな、って思う今日この頃です、
誰しもが気づいているこの便利で歪んだ状況、「言うは易し」ですが、その歳で、何かがおかしいと考え、涙を流してもがいている、それだけで、我が息子ながら評価します。9歳のハナタレ小僧さまは、これまた1世代違う世界を生きているわけですよね。心配しても、何しても、しきれません...

