清しこの昼

日本ではイブにローストチキンを食べたりするけれど、カトリックの国イタリアでは24日に肉は食べない。質素なメニューか、魚料理だ。そして25日にパスタや肉をたらふく食うのである。まあ日本の大晦日と元旦のような感覚だ。僕は別にクリスチャンでもなんでもないのでそんなことはどうでも良いのだが、子供たちが小さな頃はここで育っている彼らのためにも、イタリアっぽい習慣とメニューにした方がいいのかな、なんて考えてしまって、イブの夜はスモークサーモン、クリスマス当日は鶏や牛肉で出汁をとったブロードに手打ちトルテッリーニを入れたり、豪勢な肉料理なんかを用意したりしてきた。でも僕たちには伝統にうるさいじいさんばあさんがいる訳でもないし、当の子供たちがそんなことどうでもいいらしいので年々いい加減になりつつある。

とは言いつつも、一昨日衝動買いした「これぞ正統派フィレンツェ風Tボーンステーキ」。この見事な塊肉をイブの夜にかぶりつくのはちょっと気が引けて、クリスマス当日を待つことにしていた。2.5キロ、32ユーロ也、である。

これをフライパンで焼いたら間違いなくバチが当たる。久しぶりに庭で火を起こして、最適な火加減になるまでたっぷり1時間待つ。炭火と網との距離を調整する。肉の表面に軽くオリーブオイルを塗ったら、両面をしっかり焼く。塩胡椒はその後だ。そしてレアに焼けたかな、くらいのところで、Tの形をした骨の頭部分を下に立てるのである。こうすると、熱が骨を伝わって、中までほどよく火が通るという。これで立たないくらいの厚さでは「フィレンツェ風」とは呼べないのだ。

「フィレンツェ風は焼き過ぎたらあかん」と、中が冷たい生肉に近い状態でサーブする店も少なくない。言いたいことは分かるけれど、僕は表面と中心部の温度差がありすぎるのは嫌いだ。ほどよく温かみのあるレアでなければいけないと思う。頃合いを見計らい、Tの形をした骨に沿って綺麗に、そして大きく切り分け、もう一度軽く炭火の上で転がしたら完成。同じく炭火で調理したジャガイモを添えて供する。

ああ、今年はもう肉いらない。

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by kotaro_koyama | 2018-12-25 21:10 | イタリア暮らし | Comments(0)

主夫と生活、ゴルフのこと。


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