罠
2010年 10月 01日
子供時代、海外を転々とした経験を持つ友人と話をした。そして新たな決意をした。いや、別に目新しいことじゃない。もう前から何回もやろう、気をつけようとしていたことだから。それは、「親子の間では必ず日本語を話すこと」
一昨日から突然態度が変わり、イタリア語で話しかけても分からない振りをするパパに子供たちも気づいたらしい。
「ママにそうしろって言われたの?」
ううん、違うよ。それは君たちのためだから。なんとかしっかりした日本語を身につけて欲しいから。真のバイリンガルになって欲しいからなんだ。
ボクたち両親が共に日本人ということもあって、特にMahoが小さい時は、彼女が学校で苦労しないかと心配をし、下手なイタリア語で童話を読んであげたり、宿題を見てあげたり、会話をしてあげたりした。そしていつの間にか君たちはイタリア語が上手になって、そしてボクが日本語で話しかけてもイタリア語で返答をしてくるようになって、そしてボクはそれを聞き流していた。ボクはボクで、日常の簡単な言葉、考えずに口をついて飛び出してくる言葉、がイタリア語になっていた。「それ取って」「行こう」「ごめん」「ありがとう」・・・
でもそれではいけないんだ。
ボクたちの間では日本語だけ。固有名詞以外は全部、だ。兄弟間であっても、ボクの前では日本語を話す事。いいね?
逆にイタリア人のお友達が一人でも一緒にいる時は、絶対に日本語を話してはいけない。その子に失礼だからね。
昨日の夕食。このルールに遊び心を加えたくなって、「違反した場合は罰金1ユーロにしよう」と提案をした。
「えええ、それ無理!わたしそんなにお金ないもん!」と叫ぶMaho。なんだか知らないけど楽しそう、と盛り上がるKeiとRiki。
確かに1ユーロは高すぎるか。じゃあ一回につき1セントにしておこうか。台所の扉に紙を貼って、名前を書いて。違反する度、その下に「正」の字を書いて勘定していこう。
早速罠に陥ったのが言い出しっぺのボク、そしてRiki。ずる賢いKeiはさすがになかなか罠にはまらない。もちろん、兄弟の中で一番日本語が上手なせいもある。ニヤニヤしながら、「リキ、これ読んでご覧」とイタリア語で書かれたパッケージを指差し、純真な弟を落し入れようとしている。そしてRikiが思わずイタリア語を発する度に大喜びで飛び跳ね、「正」の数を書き加えている。いつもはお喋りなMahoがスーッと自分の部屋へ消えていった。
夕食後、台所で片付けをしていると、心配顔でRikiがやってきた。
「ねぇパパ、学校で聞いてきたバルゼレッテを言う時は、あの、日本語で言わなきゃいけないの?」
「ん?いや、バルゼレッテって日本語で小話とか笑い話って言うのだけれど、別にそれはいいよ」
「あぁよかった!」
「ねぇパパ、・・・桃のスッ・・・ジュース飲んでもいい?あぁ、あぶなかったぁ!最初ね、桃のことをイタリア語で言いそうになってぇ、それで「あっ!」て思って「桃」って言ったんだけどぉ、その後ジュースのことをまたイタリア語で言いそうになっちゃったの!」
さあ「正」の数、どれくらい増えるだろう。貯まった罰金は、最後に皆一緒にしてママへのクリスマスプレゼントを買おうか?でもあまり貯まってはいけないよね?お金が少なすぎて、買い物に困って、だからこそ心のこもった贈り物ができるといいね。

一昨日から突然態度が変わり、イタリア語で話しかけても分からない振りをするパパに子供たちも気づいたらしい。
「ママにそうしろって言われたの?」
ううん、違うよ。それは君たちのためだから。なんとかしっかりした日本語を身につけて欲しいから。真のバイリンガルになって欲しいからなんだ。
ボクたち両親が共に日本人ということもあって、特にMahoが小さい時は、彼女が学校で苦労しないかと心配をし、下手なイタリア語で童話を読んであげたり、宿題を見てあげたり、会話をしてあげたりした。そしていつの間にか君たちはイタリア語が上手になって、そしてボクが日本語で話しかけてもイタリア語で返答をしてくるようになって、そしてボクはそれを聞き流していた。ボクはボクで、日常の簡単な言葉、考えずに口をついて飛び出してくる言葉、がイタリア語になっていた。「それ取って」「行こう」「ごめん」「ありがとう」・・・
でもそれではいけないんだ。
ボクたちの間では日本語だけ。固有名詞以外は全部、だ。兄弟間であっても、ボクの前では日本語を話す事。いいね?
逆にイタリア人のお友達が一人でも一緒にいる時は、絶対に日本語を話してはいけない。その子に失礼だからね。
昨日の夕食。このルールに遊び心を加えたくなって、「違反した場合は罰金1ユーロにしよう」と提案をした。
「えええ、それ無理!わたしそんなにお金ないもん!」と叫ぶMaho。なんだか知らないけど楽しそう、と盛り上がるKeiとRiki。
確かに1ユーロは高すぎるか。じゃあ一回につき1セントにしておこうか。台所の扉に紙を貼って、名前を書いて。違反する度、その下に「正」の字を書いて勘定していこう。
早速罠に陥ったのが言い出しっぺのボク、そしてRiki。ずる賢いKeiはさすがになかなか罠にはまらない。もちろん、兄弟の中で一番日本語が上手なせいもある。ニヤニヤしながら、「リキ、これ読んでご覧」とイタリア語で書かれたパッケージを指差し、純真な弟を落し入れようとしている。そしてRikiが思わずイタリア語を発する度に大喜びで飛び跳ね、「正」の数を書き加えている。いつもはお喋りなMahoがスーッと自分の部屋へ消えていった。
夕食後、台所で片付けをしていると、心配顔でRikiがやってきた。
「ねぇパパ、学校で聞いてきたバルゼレッテを言う時は、あの、日本語で言わなきゃいけないの?」
「ん?いや、バルゼレッテって日本語で小話とか笑い話って言うのだけれど、別にそれはいいよ」
「あぁよかった!」
「ねぇパパ、・・・桃のスッ・・・ジュース飲んでもいい?あぁ、あぶなかったぁ!最初ね、桃のことをイタリア語で言いそうになってぇ、それで「あっ!」て思って「桃」って言ったんだけどぉ、その後ジュースのことをまたイタリア語で言いそうになっちゃったの!」
さあ「正」の数、どれくらい増えるだろう。貯まった罰金は、最後に皆一緒にしてママへのクリスマスプレゼントを買おうか?でもあまり貯まってはいけないよね?お金が少なすぎて、買い物に困って、だからこそ心のこもった贈り物ができるといいね。


ちょっとKeiちゃん、それはRiki君が可哀想よ(苦笑)
いちばん大変なのはMahoちゃんかな?
家の中でも勉強はイタリア語だからしばらく混乱しそうだけど、大人になったときにきっと役に立ちますね。
いちばん大変なのはMahoちゃんかな?
家の中でも勉強はイタリア語だからしばらく混乱しそうだけど、大人になったときにきっと役に立ちますね。
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更紗さん:朝起きがけ、学校から帰って来たばかり、あたりが鬼門で、そういう時は自然にイタリア語で話し始める子供たち。でも恵はほんとにずる賢くて、滅多にミスをしないんです。そして地獄耳。遠く違う部屋にいてもボクたちのイタリア語を聞きつけてすっ飛んでくるんですよ・・・
ayumiちゃん:今後ともご協力お願いしまーす。色々な人と日本語で会話するのが助けになるので!

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
鍵コメさま:ご訪問&アドバイスどうもありがとうございます。毎日たゆまない努力を続けられたご子息とそのお母様を見習って、頑張ります!
by kotaro_koyama
| 2010-10-01 17:22
| バイリンガル
|
Comments(6)