シチリアの旅 13. ~epilogo~

久しぶりの長いバカンス。楽しい時は、でも、すぐに終わってしまいます。旅は、遺跡や記念碑などよりも、人との出会いや、何気ない会話の方が心に残るもの。今回も色々な人に巡り合いました。

パレルモ、マルサラ、エトナ山・・・ 各地で出会った駐車場オヤジ。車を停めると、どこからともなく現れて、駐車場を取り仕切るのです。正規の駐車場でないことは明白なのですが、これも楽しみのうち。値段を聞くと、決まって、「御意のままに」
つまり、好きなだけ払えって言うのです。困って、2ユーロ渡すと、十字を切った手にキスをして、"Grazie"。 僕にではなく、神に感謝をしています。こんなオヤジに会いたければ、もはや南へ下るしかありません。

「俺たちシチリアのマグロはもう味わったかい?」とレストランのアントニオ。「この辺りには日本人がやって来て、マグロを買い付けていくのさ。是非食べてごらん」と勧めてくれたお皿は、マグロのタリアータ。タリアータと言えば、牛肉でするものと思っていましたが、これが美味い。分厚いマグロを表面だけサッと焼いて、薄切りにしたもの。中はもちろん半生。その新鮮な味も素晴らしかったけど、思い出すのはアントニオのサービスです。いつ行っても、僕たちの顔を見るなり、「まかしときな」と半ば勝手に注文を決めてしまう、その味が良かった。

エンナの近くで入った、名も無いバール。お昼を食べ損ねて、お腹ぺこぺこの僕たちに、これまた手際の良いサービスでラザニアを温め直してくれたウエイター。家族5人でお腹一杯食べて飲んで、お会計がたったの9ユーロ。そのレシートの数字、今でも目に焼きついています。

そして、子供たちの心に残ったのは、サン・ヴィートのプールサイドで一緒に踊った、ジュゼッペやガエターノたちのようです。サン・ヴィートを後にしても、毎日毎日、覚えた歌と踊りを繰り返しています。

「また来年もぜったい行こうね」と目を輝かせるKeiちゃん。
「でもね、ああいうアニマツィオーネ(スタッフ)のお兄ちゃんたちは、来年いるかどうかわからないよ」って口を滑らせると、ポロポロ泣き出しちゃって・・・。

あのKeiちゃんの涙、僕にとっては、それも一生忘れられない思い出。
「うん、また行こうね」



Commented by smile_shot at 2005-07-07 01:55
こんばんわ。シチリア島にいけるってだけで羨ましいかぎりです。
素敵な写真楽しみにしてます。
Commented by kotaro_koyama at 2005-07-07 12:09
smile_shotさん、こんにちは。日本からに比べれば、我が家からは近いので・・・。イタリアにいるうちに、ヨーロッパをよく見たいと思っています。
Commented by chiho at 2005-07-08 19:39 x
ご家族で楽しい思い出作りが出来たようですね。Keiちゃんはよっぽど楽しかったのでしょう。写真で拝見すると、バカンス前に比べて3人とも一回り成長されたような気がします。子供ってこういう経験を積んで成長していくのでしょうね。
Commented by kotaro_koyama at 2005-07-08 20:11
chihoさん、いつもありがとうございます。自宅に帰って、行きつけのバールへ行ったら、「あら~、たった2週間でみんな大きくなったわねぇ」と言われました。いつもと変わらず、ずっと一緒に過ごした親にとっては何も変わっていないようでも、子供の方は何かを吸収して成長したのかもしれませんね。そうであれば嬉しい限りです。
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by kotaro_koyama | 2005-07-07 00:38 | 旅行 | Comments(4)

主夫と生活、ゴルフのこと。


by kotaro