シチリアの旅 12. ~Taormina~

最後の宿泊地は、タオルミナ。映画「グランブルー」でも有名になった場所ですね。高級リゾート地だけあって、世界各国からの観光客で賑わっていました。こうした場所に来ると、気のせいか美人の数も増えるような気がします。それもお金で磨かれた美人。

泊まったホテルにはプールがなかったので、親子の争いもなく、海へ。パラソルとデッキチェアを借りてくつろいでいると・・・

「マッサッジョ?」

その声に振り向くと、中国人とおぼしき女性が、マッサージをしないかと声をかけてきているのでした。人体図に、漢字で書かれたツボの一覧表を見せて、それっぽい雰囲気を出しています。
彼女だけではありません。浜辺では、たくさんの中国人マッサージおばさんが活動していました。以前にも、こうした仕事をする人を見た事がありましたが、ここまでたくさん見るのは初めて。

聞けば、一回約20分、15ユーロとのこと。肩こりの激しい妻、試しに早速マッサージをしてもらうことになりました。不思議な香りのするオイルを塗って開始。その横で僕は、思わずインタビューを開始していました。この女性、名前は、チンチンさんです。(聞き間違えではないと思う・・・)

「イタリアには何年いるの?」
「ゴネンデス」

「冬もマッサージの仕事をしてるの?」
「マッサージのシゴトナイヨ」

「夏以外はどこに住んでいるの?」
「カターニャ」 (タオルミナから40分ほどの街)

「ご家族は?」
「コドモ、フタリイルヨ」

共通語はイタリア語なわけですが、あまり喋れないんです。他の中国人同業者とも話しをしましたが、彼女は、それでもイタリア語が出来るほうでした。5年もいて、この程度の語学力で、お金を稼いでいる。何と言うか、実にたくましい。ちなみに、後日、警察が来たと逃げていましたから、違法のようでもありました。こんな彼女たちの傍らにいると、同じアジア人として、子連れで寛いでいることがなんだか申し訳なくなってしまうのです。

「イタリアは好き?」
「・・・」

周囲をキョロキョロ見回してから、首を横に振る彼女。額に汗をかきながら見せた、その寂しそうな表情が印象的でした。そして、もうそれ以上、何も聞けなくなってしまった僕なのでした。

「マッサッジョ? セナカダケデモドウ?」
夏本番は、まだこれから。彼女たちは、今日も声を掛け続けているのでしょう。







Commented by あいらパパ at 2005-07-06 21:39 x
楽しく読ませて頂いております。以前観光で短期間ですがシチリアを訪れたことがあります。タオルミナも行きました!(車中でしたが・・・・・)
読んでると行きたいと思ってしまいます、が!お金と余裕がありません。さみしい・・・・・・
これからも楽しみにしてます!!
Commented by kotaro_koyama at 2005-07-06 23:14
あいらパパさん、コメントありがとうございます。ブログ拝見しました。「新人パパ」さんなんですね。子育て、どうぞ楽しんでください!これからもどうぞよろしく!
Commented by at 2005-07-10 18:46 x
hirokacapeさんの所から遊びに来ました
 グランブルーのあの海に遊びに行けちゃうなんて、羨ましいぃ
 チラチラっと見せて頂きましたが、また ゆっくり伺います
ウチも、男の子が先頭にいますが、女の子が二人いるので親近感がわきました♪
Commented by kotaro_koyama at 2005-07-10 23:46
菜さん、ご訪問ありがとうございます。グランブルーのあの海、大半はギリシャかと思いますが、シチリア(タオルミナ)もなかなかです。
ただ今一時帰国中、毎日、アメ、アメで、シチリアのあの太陽が恋しい・・・。また遊びにいらしてくださいね。
Commented by africa at 2005-07-14 03:14 x
こっちで中華レストランをしている中国人と話しても、スペインは好きじゃないって言いますね。お金のために出稼ぎに来てるだけで。
彼らはレストラン以外で見たことがないのです。
綺麗な海が目の前にあっても、楽しむわけもないし、アイスクリーム食べてるのも見たことない。
申し訳なくなることもあるけれど、スペイン人が中国人を蔑視する原因も彼等にある気がするので、とばっちりを受ける日本人としては、切ないですね。
ところで、結局マッサージはいかがでしたか?なかなかだった?ラテン圏の中華レストランの如く、いまいち?
Commented by kotaro_koyama at 2005-07-14 09:45
africaさん> イタリアでも同様です。文化などに興味を持って来伊する日本人と違い、中国人はお金を稼ぐためだけに来ています。仰るとおり、「暮らしを楽しむ」雰囲気はまったくないんですよね。仕事が終わると、イタリアから"消えて"しまいます。いつも彼らだけで固まって生きていますね。
もっとも、最近では、中国における経済ブームと、イタリアにおける物価高で、本国に残っていたほうが良かったと嘆く中国人も少なくないようです。

マッサージは、なかなか良かったですよ。15ユーロで30分近くやってくれましたから、それ程高くなかったし。イタリアの中華レストランの味よりは、間違いなく美味しかったです!
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by kotaro_koyama | 2005-07-05 21:53 | 旅行 | Comments(6)

主夫と生活、ゴルフのこと。


by kotaro