Maho20歳、Kei17歳、Riki12歳。イタリアで、一部ニッポンで、スクスク成長中。
by kotaro
<   2010年 10月 ( 9 )   > この月の画像一覧
食育
「君たちウサギは食べるんだっけ?」

行きつけの肉屋がそう聞いてきた。うん、もちろん食べるよ。最近買っていなかったけれど。

「"俺の"のウサギがあるんだけど、どうだい?我が家で大事に育ててシメた奴だ」

へえ、もちろん!この親父、時折フツーの流通ルートに乗らない物をくれるのだ。自分で狩りをしたイノシシの塊肉を思い出す。何故だか無料でくれたあの肉、美味しかった。そのウサギ、いますぐあるの?

「いや明日持って来てやる」

じゃあ明日の朝来るからお願いね。楽しみだなあ。

その夜の食卓。みんな、明日はね、ウサギ料理をするよ。肉屋さんが自分の家で育てた奴なんだってさ。

「え〜、それで殺しちゃったの?かわいそう・・・。わたし、自分で育てたウサギを殺して食べるなんて絶対に出来ない」

とウサギ年のKei。うん、その気持ちとってもよく分かるよ。でもKeiちゃん、血の滴るステーキとか鳥のローストとか大好きでしょ。あれは、どこでどうやって育てられた動物が肉になったんだっけ?ろくに陽も当たらない狭い籠や柵の中に押し込めて、太らせて、殺して肉にするよりもさ、自分の庭で自然に近い環境で育ててあげた動物を有り難く頂戴する方がいいんじゃない?そりゃパパだって鶏とか自分の手でシメたことないから偉そうなこと言えないけれど・・・。そもそもさ、人間が家畜を飼い始めたことがズルいんじゃない?道具や武器を使って自然を押さえつけるボクたち人間はズルいのさ。ほら、ケニアでライオンを見たじゃない。肉食動物はどうやって狩りをしていたっけ?使うのは自分の爪と牙だけだ。毎日好きな時に肉にありつけた訳じゃなかったよね?だってスーパーに肉が並んでいないんだもん。人間だって、大昔は狩りに行っていたわけだ。昔々は、人間だってきっと素手だけで空腹を満たしていたんだ。それがいつしか道具や火を発見して・・・

あ〜、またパパのなが〜い話が始まっちゃったよ・・・

d0036978_1683813.jpg翌朝。

肉屋の親父が奥から大事そうに抱えて来たウサギは、いつも店先に並んでいる奴とは明らかに違った。実に大きな体だ。太っているのではなくて、筋肉隆々なのだ。前足の付け根部分の逞しさが際立っている。きっと青空の下を元気に跳ね回っていたのだろう。量りに乗せると2kgを越えていた。普通のウサギの倍はある。

「ブツ切りにすればいいだろ?頭はいる?」 

バシッと包丁が入る。いや、頭はいりません・・・

「トマト味にするのかい?」

いや、シンプルにいこうかと。白ワインを少し使って。人参を少しいれて甘みを出して。

「それがいい、それがいい」

帰り道、袋がずっしりと重い。間違いなく二食分はある。余ったらトマトを加えてパスタにすればいい。

お気に入りのテラコッタ鍋を使うことにする。庭で摘んだローズマリーにニンニクが欠かせない。時間をかけて丁寧に火を通す。最初は蓋をして1時間半。そして蓋を取り、温度を少し上げて焼き色をつける。うん、いい出来映えだ。美味しい。

さあみんな、早く帰っておいで。今日のお昼は特別だ。
[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-26 16:41 | イタリア暮らし | Trackback | Comments(6)
今日の報告
d0036978_0144252.jpg「ただいまぁ〜!ねぇパピ、"capo della classe"って日本語で何て言うの?」
「ん〜、クラス代表・・・クラス委員かな」
「わたしね、クラス委員に選ばれちゃった」
「へぇ!どうしてまた?」
「あの、えっと、"votazione"って何だっけ?」
「投票ね」
「そうそう、投票で選ばれたの」
「へぇ!Keiは立候補したわけ?」
「そう」
「他に誰が立候補したの?」
「みんなだよ。みんなハイハイって手挙げて」
「全員?可愛いねぇ。それでKeiは何票獲得したの?」
「えっとね、10票」
「クラスは23人だっけ?ほぼ半数か。凄いじゃない。信頼あるんだねぇ。シンライって分かる?信じて頼るって書くんだよ」
「・・・ ロレンツォね、選ばれなくて泣いちゃったんだよ。あとね、あのガリ勉君も、なんで俺が選ばれないんだよってブツブツ言ってたよ・・・ あっ、パパ、そう言えば、父母会に行く?」
「あっ、ん・・・」

外人のくせにクラス委員なんかに立候補して、そして選ばれて、外人のお父さんとしては実に誇らしい、頼もしい。お父さんはね、外人であることを隠れ蓑にそんな役回りから逃げ回っているのです。PTA委員なんて考えるだけで恐ろしいよ。父母会すらろくに参加していないのだ。もちろんボクと違って君には「外人意識」なんてこれっぽっちもないのだから比べられないけれどさ・・・ ともかく、その社会への参加意識、大きくなっても、どこへ行っても、大切にして欲しいな。
[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-19 00:41 | イタリア暮らし | Trackback | Comments(2)
散歩
Keiを予防接種へ連れて行った。

旧市街の小径を二人で歩く。青く晴れ上がった空。歩くことが気持ちいい。遠くに目をやると、アッシジの麓に霧がかかっている。ふと気がつくと僕は君の数メートル先を行っていた。振り返ると、君はポケットに手を突っ込み、見慣れた景色の中に新しい発見を探している。

横断歩道を渡る時、僕は手を差し出した。君が手をつないできた。渡り終わって、僕は手を離そうとしたけれど、君はしっかりと僕の手を握り直してきた。僕もしっかりと握り直した。

注射をされる時、怖いから手を握っていて、と言った。手を握ってあげると、僕の肩にその額を強く押し当て、しっかりと目をつむっていた。

予防接種が終わり、学校へ送って行った。二人で、手をつないで。

こんなこと、こんな風に手を握り合うこと、もう数えるくらいしか残っていないのだろうと思った。

d0036978_21323955.jpg

[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-09 21:37 | イタリア暮らし | Trackback | Comments(6)
funky jam
音量にご注意ください。


[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-09 07:23 | ビデオ | Trackback | Comments(0)
長距離競走
d0036978_19255947.jpg家族の間では日本語のみで会話する、イタリア語を使ったら罰金1セント、のゲームが始まってちょうど1週間。この罰金制度、子供たちの心をうまく捕らえてくれた様子。台所に張られた紙に書き加えられる「正」の数は日に日に増えているけれど、子供たちが日本語を話す時間も、以前とは比べ物にならないほど飛躍的に増えています。

罰金制度も効いているのだけれど、なんと言っても重要なのがKeiの存在。このお約束を頑に守ろうとしてくれる彼女が我が家のキーパーソンです。一つの事にこだわるその性格、そして地獄耳。遠く違う部屋で、「リキ、MERENDA持った?」なんて言おうものならすっ飛んで来ます。

「あれぇパパ、今なんて言った?! M? Me? Mer?? おやつでしょ、おやつ!!」

CIAOとか、GRAZIEとか、BASTAとか、つい口にしてしまうそんな一言も絶対に聞き逃さない、そして許してくれない。Keiのお陰でこの長いマラソンをあきらめずに続けられそうです。

ちなみに今日現在の「正」の数。
1位を突っ走っているのはRikiで、正の数19個と4画、つまり5x19+4で99回。次点が他ならぬボクの72回。3位Mahoは65回。そしてKeiはなんとたったの17回。

言い出しっぺのお父さんがいい順位につけているのがどうも気になります・・・
[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-07 19:46 | バイリンガル | Trackback | Comments(0)
横槍
泳ぎは自己流、素潜り専門の海女さんだったKei。それが、コーチのちょっとしたアドバイスでだいぶ上手に腕を動かすようになりました。クロールも背泳ぎも。「Keiちゃん、クロールする時ね、腕が水から出ている間はもっと力を抜いてさ、肘を曲げても良いんだよ。それからさ・・・」などと、またまたお父さんが横から余計な口を挟んでいたのだけれど、どうやらその説明に少し混乱していたらしい。

「あのね、腕は伸ばしなさいって、それだけ言ってたよ」

子供には色々な事をゴチャゴチャ言うより、一つの動作をシンプルに教えた方がいいのだろうな。プールサイドでも親は黙っているに限るのだ。Riki? Rikiにはもちろん余計なことは何も言っていません。サッカー同様、まずは楽しんでくれたまえ。


[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-05 16:16 | スポーツ | Trackback | Comments(2)
期待通り。
d0036978_220249.jpg日本に居残る予定なんかなかった君のママの為に、秋冬の洋服を送ってあげた。使い古しの段ボールでも良かったのだけれど、なんとなく郵便局で真新しい小包用の箱を買ってあげた。黄色くて一番大きい奴だ。

セーターやズボン、適当に見繕って詰めた。そして郵便局で持っていくと、航空便なら80ユーロ、船便なら30ユーロだと言う。迷わず船便を選んで発送したのが9月22日。

10月2日、ママから「もう小包が届いた!」と驚きのメールが来た。「やっぱりね」ボクはニヤリとした。以前にも同じようなことがあったんだ。船便で出した小包が、なぜか一週間程で日本へ到着したことが。

今回も密かに航空便に紛れることを期待していた。そしてその密かな期待通り、だ。しかしなぜこんなことになるのだろう? 飛行機に乗せるコンテナに空きがある時、仕分けるのが面倒で詰め込んでしまうのか・・・?

日本から発送したら絶対にこんなことはない。船便は船便。航空便は航空便。

きっちりお固いのもいいけれど、このいい加減さも捨て難い。

不思議の国、伊太利亜。
[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-05 02:37 | イタリア暮らし | Trackback | Comments(8)
初体験
曇天。Rikiのサッカー。
INTERNO PIEDE(インサイド)のドリブルで練習が始まる。グランド半面を使って。しっかりボールをキープしながらひとしきり走った後は、いつものように歩きながら深呼吸。でも今日は後ろ向きに歩かされている。もちろんボールもキープしながら。上手にできる子も、できない子も。そしてまたインサイドでのドリブル。今度はコーチが邪魔に入る。ボールを奪われないように!そしてまた歩きながら息を整える。今度は目を閉じて歩きながらボールをキープ。子供たちは、上手にできないことが嬉しそうだ。次の練習に入るため、コーチが子供たちを集める。

「お前ら、イタリアの国旗がなぜ緑、白、赤か知ってるかぁ?」
「そりゃ誰かが色つけたからでしょ?」
「ぎゃはははぁ〜!」
「どうして緑を選んだのだろう?イタリアには何がたくさんあるだろう?」

口々にいい加減な答えを放つ子供たち。奔放というか、かなりレベルの低い答えだ。呆れたコーチが答えを出す。

「イタリアにはたくさんの森があるからさ!豊かな国土、つまり緑だ。それじゃあ白い色はどうしてだ?」
「雲!」
「ちが〜う!でも自然の中にあるものだぞ」
「水!」
「お前、水が白いか!」
「シマウマだぁ!」
「・・・。ヒントは山の方だ。森の中にもあるぞ」
「紙!」
「むぅ、お前らそれで小学校二年生か?北の方、山に行くと・・・氷、雪があるだろう。白は雪を表現しているんだ。それじゃあ、赤は?」
「血!」
「お、フランチェスコ、今なんて言った?その通り、血だ。なんで血の色なんだろう?そうだ、戦争だ。我々のご先祖様が戦争をした時の血だ。イタリアを統一するために流した血の色なんだ。OK、それじゃあ一人ずつボールを持って!」

数を数えさせる時に英語を使わせたり、暗算をして答えられたら水を飲みに行かせてもらえたり。サッカーだけじゃない、このコーチは練習の合間にそんなちょっとした教育をしてくれる。


練習後半、いつものようにミニゲームが始まる。雲行きが怪しい。そしてついに雨が降り出した。次第に雨足が強くなる。大雨と言っても良い。それでもゲームは続く。

「お前ら雨の中でプレーすることにも慣れなきゃいけないぞぉ!」

大声で叫ぶ監督。雨など気にせず全力を出す子。雨を嫌がって勝手にベンチに逃げ込み座り込んでしまう子。Rikiは・・・ Rikiは、空を見上げている。雨に濡れるのが楽しいらしく、ボールを追いかけることを忘れている。両手を広げ、口を開け、舌を出して、雨を受け止めている。感じている。そして思い出したように仲間の後を追う・・・

練習後、今日は何も言わなかった。

「パピィ、見てぇ!こんなビショビショになっちゃったよぉ!」
「こんな雨の中で遊んだの初めてだもんね?楽しかったでしょ」
「うん、とっても楽しかった!」

温かく君を迎えてあげることができた、と思う。まだ君は小さな子供なんだ、と思う。いつまでも、ボールより雨粒に気を奪われる子供でいて欲しい、と思う。

d0036978_16302739.jpg

[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-02 17:09 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
子供時代、海外を転々とした経験を持つ友人と話をした。そして新たな決意をした。いや、別に目新しいことじゃない。もう前から何回もやろう、気をつけようとしていたことだから。それは、「親子の間では必ず日本語を話すこと」

一昨日から突然態度が変わり、イタリア語で話しかけても分からない振りをするパパに子供たちも気づいたらしい。

「ママにそうしろって言われたの?」

ううん、違うよ。それは君たちのためだから。なんとかしっかりした日本語を身につけて欲しいから。真のバイリンガルになって欲しいからなんだ。

ボクたち両親が共に日本人ということもあって、特にMahoが小さい時は、彼女が学校で苦労しないかと心配をし、下手なイタリア語で童話を読んであげたり、宿題を見てあげたり、会話をしてあげたりした。そしていつの間にか君たちはイタリア語が上手になって、そしてボクが日本語で話しかけてもイタリア語で返答をしてくるようになって、そしてボクはそれを聞き流していた。ボクはボクで、日常の簡単な言葉、考えずに口をついて飛び出してくる言葉、がイタリア語になっていた。「それ取って」「行こう」「ごめん」「ありがとう」・・・

でもそれではいけないんだ。

ボクたちの間では日本語だけ。固有名詞以外は全部、だ。兄弟間であっても、ボクの前では日本語を話す事。いいね?
逆にイタリア人のお友達が一人でも一緒にいる時は、絶対に日本語を話してはいけない。その子に失礼だからね。

昨日の夕食。このルールに遊び心を加えたくなって、「違反した場合は罰金1ユーロにしよう」と提案をした。

「えええ、それ無理!わたしそんなにお金ないもん!」と叫ぶMaho。なんだか知らないけど楽しそう、と盛り上がるKeiとRiki。

確かに1ユーロは高すぎるか。じゃあ一回につき1セントにしておこうか。台所の扉に紙を貼って、名前を書いて。違反する度、その下に「正」の字を書いて勘定していこう。

早速罠に陥ったのが言い出しっぺのボク、そしてRiki。ずる賢いKeiはさすがになかなか罠にはまらない。もちろん、兄弟の中で一番日本語が上手なせいもある。ニヤニヤしながら、「リキ、これ読んでご覧」とイタリア語で書かれたパッケージを指差し、純真な弟を落し入れようとしている。そしてRikiが思わずイタリア語を発する度に大喜びで飛び跳ね、「正」の数を書き加えている。いつもはお喋りなMahoがスーッと自分の部屋へ消えていった。

夕食後、台所で片付けをしていると、心配顔でRikiがやってきた。

「ねぇパパ、学校で聞いてきたバルゼレッテを言う時は、あの、日本語で言わなきゃいけないの?」
「ん?いや、バルゼレッテって日本語で小話とか笑い話って言うのだけれど、別にそれはいいよ」
「あぁよかった!」

「ねぇパパ、・・・桃のスッ・・・ジュース飲んでもいい?あぁ、あぶなかったぁ!最初ね、桃のことをイタリア語で言いそうになってぇ、それで「あっ!」て思って「桃」って言ったんだけどぉ、その後ジュースのことをまたイタリア語で言いそうになっちゃったの!」

さあ「正」の数、どれくらい増えるだろう。貯まった罰金は、最後に皆一緒にしてママへのクリスマスプレゼントを買おうか?でもあまり貯まってはいけないよね?お金が少なすぎて、買い物に困って、だからこそ心のこもった贈り物ができるといいね。

d0036978_177610.jpg

[PR]
by kotaro_koyama | 2010-10-01 17:22 | バイリンガル | Trackback | Comments(6)


カテゴリ
子育て
バイリンガル
旅行
比較文化
イタリア暮らし
スポーツ
料理とレシピ
日本放浪
回想
ビデオ

最新のコメント
econeさん:放置ブロ..
by kotaro_koyama at 22:10
二人とも、また大人っぽく..
by econe at 12:39
econeさん:すっかり..
by kotaro_koyama at 22:13
はじめまして。 Rik..
by econe at 12:18
marinaraさん:今..
by kotaro_koyama at 15:39
「ふるさと」って何処なの..
by marinara at 22:33
いえいえ!まだまだ人生の..
by kotaro_koyama at 14:39
なんだか、哀愁を感じます..
by marinara at 23:09

お気に入り

フォロー中のブログ
 フランス生活便り
写真のこと
食いしん坊の日記
スマイル&ショット
楽子の小さなことが楽しい毎日
R's memorandum2
フィレンツェ田舎生活便り2
*ちょっとコーヒーでも*
HEROのアナログな生活
絵本の王国 - IL ...
アンジェリーナのちょっと...
くーまくーま3
グルグルつばめ食堂
* Avanti * ...

以前の記事
2016年 04月
2015年 09月
2015年 07月
2015年 01月
2014年 12月
more...

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧