男子、厨房にて。
2007年 12月 23日
写真も挿絵もないその文庫本をめくりながら、それまで見たことも聞いたこともなかった西洋料理に想像を膨らませて作ったモノは、今思い出せば、決していい出来だったとは思えません。でも、そんな息子の手料理を父は黙って平らげ、母は「おいしい、おいしい!」と素直に喜んでくれたものでした。
調子に乗ったボクがその次に買ったのは、『ポールボキューズのフランス料理入門』。当時5000円位したこの豪華本はフランス語からの翻訳でしたから、日本ではなかなか手に入らない食材がたくさん出てきました。子牛肉、ウサギ肉、ポワロー・・・
『信頼できる肉屋に〜を注文しておく』なんていうくだりにはすっかり感動してしまい、外国へのあこがれが膨らんだものです。
あれから、色々な本を読んだり、テレビを見たりしながら、料理の腕はそれなりに上達しました。そして、イタリアの我が家の近所にはまさに『信頼できる肉屋』があります。子牛肉が、ウサギ肉が、手に入ります。台所は新鮮なポワローやハーブ類で溢れています。
あの小さな文庫本は、油でシミだらけになった末にどこかへ行ってしまいました。でも料理への情熱、いえ、何より食べてもらう人への愛情の大切さを教えてくれた村上さんのやさしい語り口はボクの心に深く残っていて、今、この豊富な食材を前に台所へ立つと、とても幸せな気持ちになるのでした。
料理本買ったの覚えているよ。
あの頃は凝っていたみたいだけど、今も料理ちゃんと作っているのかな~(笑)
あの頃は凝っていたみたいだけど、今も料理ちゃんと作っているのかな~(笑)
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kotaro_koyama at 2007-12-24 02:35
by kotaro_koyama
| 2007-12-23 00:05
| 料理とレシピ
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