Maho20歳、Kei17歳、Riki12歳。イタリアで、一部ニッポンで、スクスク成長中。
by kotaro
冬の時代
d0036978_22413211.jpg12月13日付The New York Times紙の記事は、イタリアにちょっとした衝撃を与えたようです。

『料理、ファッション、デザイン、美術・・・ あらゆる面で世界から愛されるイタリアなのに、イタリア人自身はこの国をちっとも愛していない。 "malessere"(不安)が、経済、政治、社会生活全般に蔓延して、イタリア人は、自分たちのことを西ヨーロッパの中で一番不幸せな国民と感じている。イタリアは、希望よりも不安ばかりが募る冬の時代に入った』

こうした内容で始まる一面扱いの長い記事。「衝撃」と言っても、そこに書かれていることは本当のことばかりでした。新聞Corriere della Seraのsondaggio(アンケート)結果を見ても、実に91%の人がNYT紙の言っていることは正しいと認めているのです。でも、自分ではよく分かっていること、痛い所をつかるとつい反論してしまいたくなるのは人間の性のよう。「そんなことはない」イタリアの大統領は、この記事にわざわざ反論をしていました。

記事に関連して、イタリア国民の不満を代弁するコメディアンBeppe Grilloへのインタビューも合わせてご覧下さい。

NYT紙の指摘は続きます。

『ローテクな生き方は観光客には美しく映るかもしれない。しかし、そこに暮らす国民にとってはどうだろう?インターネット普及率、給料、経済成長率、外国からの投資は、EU諸国の中でも最低水準にある。一方で、年金、財政赤字、政府機関にかかる経費は一番高いのだ』

イタリアが抱える問題は他にもあります。機能しない司法制度。言論の自由度が低いメディア。汚職。マフィア。脱税。流入し続ける移民に戸惑う社会。低い出生率と多数の高齢者。雇用不安。大学を出て30歳になっても安定した職がみつからず親元で暮らす若者が多い一方で、海外へ流出していく優秀な頭脳・・・

『国民のフラストレーションは、グローバル化した世界が急激に変化しているのに、居座り続ける古い社会のシステムに縛られてそのスピードについていけないことだ・・・このままでは、栄華を極めたベネツィア共和国と同じ運命をたどることになる。世界で一番美しかった国が、経済力を失った後、『無数の観光客に踏みつけられた美しい死体』に落ちぶれてしまったあの歴史だ。気をつけないと、イタリアは本当に観光客と年金生活者だけが暮らす国になってしまう・・・』

今朝、ペルージャには初雪が降りました。
amore, cantare, mangiare... 一昔前、明るい太陽に照らされ輝いていた美しい国は、ボクにとっても不満と不安が満ちる現実の国になりました。NYT紙が差し出した鏡に映る今日のイタリアは、化粧が落ちた灰色の素顔。

子供たちの顔を見ると、寒さが一層身に凍みます。
[PR]
by kotaro_koyama | 2007-12-15 22:46 | イタリア暮らし | Trackback | Comments(7)
トラックバックURL : http://ariak.exblog.jp/tb/6744417
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by nakoli at 2008-01-04 02:49
はじめまして。時々読ませていただいています。
この記事の「子供たちの顔を見ると、寒さが一層身に凍みます。」に、思わず大きくうなずいてしまい、コメントさせて頂いてます。
日本の暮らしの方が良い、とは一概には言えません。でも、ここイタリアに暮していると、特に子育てをしていると、子供の将来を思い、不安でいっぱいになってきますね。
子供達の笑顔が絶えることなく輝き続けるように、それを願うばかりです。良いお年を。

Commented by kotaro_koyama at 2008-01-04 03:57
nakoliさん>日本に帰ろうと思えばいつでも帰れる我が家ですが、今日もこうしてイタリアで暮らしているということは、日本よりもこちらでの生活を選んでるわけなんです。なんだかんだ文句を言いながらも、不安を抱えながらも・・・。でも、フツーの日本人と違う道を歩んでいる子供たちの将来を思うと、色々な心配はやっぱりつきませんねぇ。そう、この子供たちの満面の笑顔がいつまでも消えないように願う気持ち、ボクも同じです。nakoliさんご一家にとりましても、より良い2008年になりますよう。
Commented at 2008-01-06 00:03 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kotaro_koyama at 2008-01-06 18:51
鍵コメさん>イタリアにいらしていたんですね。ローマかな?さぞ「外国人」が多かったでしょう。ニューヨークやロンドンのように(差別はあったとしても)、うまく移民を飲み込めていないのが、今のイタリアの大きな問題です。もう彼らなしでは国が機能しないのに。イタリアって、気候はいいし、食事は美味しいし、景色はいいし、で基本的にいい国なのに、イタリア人はどうも自分で自分の首を絞めて住みにくくしている感があります・・・
Commented at 2008-01-06 23:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kotaro_koyama at 2008-01-07 01:26
鍵コメさん>国を良くしていくには、自分のことばかり考えていては駄目なわけですけど、イタリア人はまさに自分のことしか考えませんからねぇ。自分のことが一番大事なのは、人間誰にも共通、もちろん日本でもそうです。でも日本の場合、「他人の目」を「気にする」力が大きく作用しているところがイタリアと大きく違うところかな。
Commented by miharu at 2008-01-08 23:12 x
イタリア人はまさに自分のことしか考えませんからねぇ

団体になるとそうですが(会社とか 郵便局とか)
個人になると 相手のことをしっかり考えてくれているような。。
日本は逆かも(汗)
感じがするのは まだ私が短い滞在のお客様だからかしら

ママも友人も周囲の助けの為に奔走しているのをみると
ああ、日本もママと似たようなことをしているなと 

<< 理想の街 あっと言う間に。 >>


カテゴリ
子育て
バイリンガル
旅行
比較文化
イタリア暮らし
スポーツ
料理とレシピ
日本放浪
回想
ビデオ

最新のコメント
econeさん:放置ブロ..
by kotaro_koyama at 22:10
二人とも、また大人っぽく..
by econe at 12:39
econeさん:すっかり..
by kotaro_koyama at 22:13
はじめまして。 Rik..
by econe at 12:18
marinaraさん:今..
by kotaro_koyama at 15:39
「ふるさと」って何処なの..
by marinara at 22:33
いえいえ!まだまだ人生の..
by kotaro_koyama at 14:39
なんだか、哀愁を感じます..
by marinara at 23:09

お気に入り

フォロー中のブログ
 フランス生活便り
写真のこと
食いしん坊の日記
スマイル&ショット
楽子の小さなことが楽しい毎日
R's memorandum2
フィレンツェ田舎生活便り2
*ちょっとコーヒーでも*
HEROのアナログな生活
絵本の王国 - IL ...
アンジェリーナのちょっと...
くーまくーま3
グルグルつばめ食堂
* Avanti * ...

以前の記事
2016年 04月
2015年 09月
2015年 07月
2015年 01月
2014年 12月
more...

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧