シチリアの旅 2. ~Palermo~

マグロの街。そう、ここパレルモで僕の心に強く焼きついたのは、大聖堂でも、ノルマン宮殿でもなく、このマグロの眼でした。

午前6時30分、下船。土曜日の早朝とあって、空いている街。まずは当ても無く車を走らせます。迷っても、海が目印になる港町ですから大丈夫。地図も見ずにグルグルと。

「パピ~、どこに行くの?」 と、不思議そうなMaho。別に目的がなくてもいいじゃない、ね。

偶然出会った朝市。ガラクタを売る露天を横目にズンズン歩いていくと、見るからに新鮮そうな野菜、魚介類を山積みにしているメルカートの中心に出ました。

売られている商品も興味深かったのですが、何より驚いたのはその雰囲気。何故だか知らないけど、とにかく、皆が不機嫌なのです。愛想というものが一切ありません。そして、声が大きい。イタリア人は、平均声が大きいですが、ここは格別でした。

大きなマグロ一匹をさばき、切り売りする親父。それにケチをつける客との応酬。誰も笑っていない。皆が怒っている、怒鳴っている。

「どうして今日も働かなきゃいけねぇんだ!」 働く人々の顔は、怒りにゆがんでいました。

後から聞けば、地元以外の人は、なるべく近づかない方がいい地区だったようです。それは犯罪が多いという理由というよりは、よそ者に対する警戒心からくるものだそうです。この市場の人たち、同じイタリア人でも、地元以外の人には、かなりの疑心を抱くとのこと。そんなに悪いことやっているのかしら?

ましてや、外人がカメラをぶら下げてウロウロするのは、彼らの神経を逆撫でする行為だったのかもしれません。でも、旅の楽しみは、こんな場所に迷い込むことにあります。

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Commented by goodragon at 2005-06-27 20:41
そうです、旅の醍醐味は予定外のところに転がっていることが多いです。
しかし、マグロ、ごついですね~。硬そうですね~。ギラギラしてますね~。
ぴたぴたと叩いてみたい気がします。
市場で怒鳴る親父たちを撮ってみたいですが、ぼこぼこにされそうですね(笑)。
Commented by kotaro_koyama at 2005-06-28 02:11
goodragonさん、そうなんです。市場の親父たちの写真、それもグッと一歩迫ったポートレートを撮りたかったのですが・・・ ボクにはその勇気がありませんでした・・・。
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by kotaro_koyama | 2005-06-27 07:12 | 旅行 | Comments(2)

主夫と生活、ゴルフのこと。


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